DOSBox の利用できるかできないか? わかりません
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DOSBoxDOSBox のダウンロードとインストール更新:2012年 10月28日
DOSBox を用いて ksh, filmtn, vz, jwcad, gp, wx3 などの懐かしく,かつ,便利な DOS コマンドやアプリケーションをWindows 7 などの上で利用できるようにしたいと思います. DOSBoxの Official Page は,DOSBox, an x86 emulator with DOS です.DOSBox は現時点(2012年10月) で Ver 0.74 となっています. しかし,Official Page にある DOSBox Ver 0.74 のキーボード入力は,101キーボード配列となっており,さらにキー配列を変えようにも日本語環境の JP106 キーボードの定義ファイルが本家 Official Page にはありません.そのため,dosbox0.74更新されたのね.@モンちゃん寄ってって! の記事で書かれている106日本語キーボード対応のDOSBox である dosbox74.zip (5.92 MB) をダウンロードして使うこととしました. ダウンロードしたdosbox74.zip を適当なディレクトリで解凍します.とすると,以下に示すdosbox-0.74v-svn,dosbox-0.74v のディレクトリとmemo.txtのファイルが現れます.
dosbox-0.74v のディレクトリには,本家の DOSBox 0.74 を JP106 のキーボードの配列に対応した版が入っています.また、dosbox-0.74v-svn は,その中の memo.txt のファイルに書かれているように,DOSBox を精力的に改造されている韓国の方 Taewoong's Page のDOSBox のバージョンを JP106 に対応させた版であるとのことです. 今回は,本家 DOSBox 0.74 を JP106 のキーボードの配列に対応した dosbox-0.74v を用いて DOSBox の日本語化とその利用にチャレンジしてみます. 解凍した dosbox-0.74v を適当なディレクトリに置きます.今回は,c:\Freeware\dosbox としました.dosbox のフォルダー内のファイルは次の図のようになっています. このなかで, dosbox.exe が実行ファイル,dosbox.conf が pc-dosでいうならば所謂 config.sys や autoexec.bat などに相当する設定ファイルです. さらに,ksh, filmtn, vz, jwcad, gp, wx3, ascii tools などの DOSBox で動かしたいアプリケーション,pc-dos のコマンドなどを適当なディレクトリに入れておきます.ここでは,Windows の c:\dos 以下にディレクトリを整理してこれらのコマンド類を置いておきます. dosbox.exe をダブルクリックすると,下の左の画面が出て,すぐに右の画面に切り替わります.これで DOSBox エミュレータ (dosbox-0.74v) が立ち上がりました. DOSBox が立ち上がったら JP106 キーボードに対応しているかを確認しておきます.101 キーボードと 106 キーボードとは,記号類(カッコや@など)の配置が異なるため,使用している日本語キーボードから入力して,押したキーと画面表示を比べて JP106 キーボードに対応していることを確認します. DOSBox はデフォルトで Z ドライブを起動仮想ドライブとしています. Z ドライブにあるファイル一覧は以下に示すリストのものがあります.ちなみに dosbox-0.74v-svn は,DOSBox Ver 0.74 に比べ 50.COM, LASTDRIVE.COM, FILES.COM, FCBS.COM, DEVICE.COM, BUFFERS.COM, EDIT.COM, APPEND.EXE, XCOPY.EXE, MOUSE.COM, IMGMAKE.COM などのコマンドが増えています. Z:\> dir Directory of Z:\. COMMAND COM 20 01-10-2002 12:34 AUTOEXEC BAT 243 01-10-2002 12:34 KEYB COM 20 01-10-2002 12:34 IMGMOUNT COM 20 01-10-2002 12:34 BOOT COM 20 01-10-2002 12:34 INTRO COM 20 01-10-2002 12:34 RESCAN COM 20 01-10-2002 12:34 LOADFIX COM 20 01-10-2002 12:34 MEM COM 20 01-10-2002 12:34 MOUNT COM 20 01-10-2002 12:34 MIXER COM 20 01-10-2002 12:34 CONFIG COM 20 01-10-2002 12:34 12 File(s) 463 Bytes. 0 Dir(s) 0 Bytes free. DOSBoxはローカルディスクのフォルダをマウントして任意のドライブとして使用可能となっています.pc-dos のコマンドやアプリケーションを置いておいた c:\dos ディレクトリを c ドライブとするには,次のコマンドをコマンドラインから入力します.さらにカレントドライブを C にしておきます. Z:\> mount c c:\dos Drive C is mounted as local directory c:\dos\ Z:\> C: C:\> DOSBox を起動したときに毎回コマンドラインからディレクトリをマウントすることなく,起動と同時に自動的にc:\dos ディレクトリを C ドライブにマウントするには,dosbox.conf ファイルの [autoexec] セクションを編集し,下記のように実行コマンドを記述します.下記の例では,c:\dos を C: にマウントして C: に移動し,さらにコマンドパスの設定をしています. [autoexec] # Lines in this section will be run at startup. mount c c:\dos c: path=z:\;c:\dos;c:\bat;c:\bin;c:\tools これで C: ドライブのマウントとコマンドパスの登録が出来ました。 DOSBox 日本語表示登録:2012年 10月31日
DOSBox が問題なく立ち上がったので,次は日本語表示を試みます.まずは, PC-DOS 標準での日本語表示の設定をします. IBM PCDOS 標準の $FONT.SYS と $DISP.SYS を使用して日本語表示を試してみます.dosbox.conf の [autoexec] セクションに,通常のDOSでは config.sys のファイルに書き込む $FONT.SYS と $DISP.SYS を記述します.ここで用いている device というコマンドは,QEMM (Quarterdeck Expanded Memory Manager) に入っている device.com というコマンドであり,オフィシャルの DOSBox には入っていません.QEMM を持っていない場合,dosbox-0.74v-svn に同等の device.com が入っていますので,QEMM のdevice.com の代わりに用いても同等の動作が行われます. [autoexec] # Lines in this section will be run at startup. mount c c:\dos c: path=z:\;c:\dos;c:\bat;c:\bin;c:\tools # IBM PCDOS 標準の $FONT.SYS と $DISP.SYS を使用 c:\qemm\device C:\DOS\$FONT.SYS chej jp c:\qemm\device C:\DOS\$DISP.SYS dosbox.conf を書き換えて DOSBox を動作させると次の画面表示のように,$FONT.SYS でフォントの読み込み,$DISP.SYS で画面表示ができ,日本語が表示されます.$DISP.SYS の組み込みには,通常の DOSでは CONFIG.SYS に記述する COUNTRY= の設定が必要ですが,DOSBox ではできないため,Natrium さんの web ページ Natrium's @lacoocan edition から chej.exe をダウンロードし,これを用いてDOS/V系汎用画面モードの変更をします.なお,DOS 付属の CHEV.EXE ではエラーが出て動作しませんでした. IBM PCDOS 標準の $FONT.SYS と $DISP.SYS を使用した DOSBox の日本語表示ができました. DOSBox の FONTX/DISPV による日本語表示登録:2012年 11月15日
DOSBox で IBM PC-DOS 標準での日本語表示ができることが分かったので,さらに Lepton さんの FONTX / DISPV を使って日本語表示を試みます.Lepton さんの ページは Lepton's Home Page にあり,ありがたいことに博物館行きと書いてはありますが,FONTX, DISPV, DISPS3 などのドライバーやプログラムがダウンロードでき,フリーで利用することができます.そこで,FONTX と DISPV を使ってDOSBox をV-Text 日本語化するため,dosbox.conf ファイルの [autoexec] セクションを以下のように書き換えます.主に書き換えた部分は,下の3行です. [autoexec] # Lines in this section will be run at startup. @echo off mount c c:\dos c: path=z:\;c:\dos;c:\bat;c:\bin;c:\tools rem ---------- FONTX + DISPV---------- c:\qemm\device c:\sys\fontx\$fontx.sys /P=c:\sys\fontx\ c:\sys\dispv\dispv.exe /fc=4 この dosbox.conf で DOSBox を起動すると,fontx がインストールされ,Extend display driver の DISPV により VText が表示される. 本当に FONTX と DISPV によって VText 表示になっているか確認します. chej.exe vt で V-Text 日本語環境とし,さらに Vz 付属の vmap を用いてメモリマップを見ます. 日本語が表示できていますし,メモリには fontx と dispv があることが見えます.これで,DOSBox の日本語化ができました.かつて SOFTBANK より出版された「DOS/Vスーパードライバーズ」や「DOS/Vスーパードライバーズ32」を購入して持っていれば,これらのドライバーを使ってもよいでしょう.
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